背中の痛み・背中のこりとはり

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背中の痛み・背中のこりとはりについて

いわゆる(胸背部の)捻挫について

胸背部は広く僧帽筋に覆われ、その下層に菱形筋、肩甲挙筋などの脊柱と上肢帯を連結する筋肉を持ち、さらに脊柱の傍に一群の脊柱起立筋が脊柱を支えている。頸椎とは異なり胸椎個々の運動性は著しく制限されているため、胸椎部の損傷でこの起立筋群が侵されることは少なく、投球などの激しい動作で菱形筋などの上肢帯の運動に関わる筋肉に損傷が起こりやすい。もちろん高所よりの落下や重量物の衝突、交通事故などではその外力の強さと部位に応じた軟部組織の損傷が起こるが、重度のものでは、胸椎脱臼骨折による胸髄損傷や胸郭の損傷による胸部内臓の損傷も起こりうる。 

診断・治療法

胸背部の疼痛は肩甲間部にみられることが多い他、胸椎棘突起間部にみられることがある。受傷機序と疼痛の部位から損傷されている筋、靭帯を予測し、その部位が安静となるような固定方法を選び、カイロプラクティック、整体、はり灸、骨盤矯正、ストレッチ等を行ない、5〜6日の冷湿布を施す。1〜2週間の安静で緩解することが多い。 

鑑別診断

胸部を含めた脊柱には単純な外傷の他に類似の症状を呈する疾患が多く、患者はしば外傷とはまったく関係のない疼痛を以前の外傷と間違えて結び付けてくることがある。患者の訴えは疼痛が唯一の徴候であることが多く、疼痛の発生部位から、脊椎性疼痛、および神経根性疼痛に分けると理解しやすい。

脊椎性疼痛

疲れたときや立位で脊椎の奥深いところに感じる痛みで、臥床すれば軽快する。もし夜間のみこのような痛みが出るなら脊椎カリエスが疑わしい。痛みを感じるのも普通は罹患部であるが、ときには腰仙部に感じることもある。腰仙部はこの種の痛みを感じやすい部位であるので、痛みの部位と損傷の部位を考えるときに注意しなければならない。

傍脊椎性の疼痛

脊柱起立筋群の中に生じるため、かなり拡散し、部位がはっきりしないもので、筋性か靭帯性のものである。背部の筋肉の結合織炎や脊柱側弯症でみられる疼痛がこれに属する。

神経根性の疼痛

その正確な局在性を明らかにすることで障害部位を確定することができるため、問診と知覚検査などを注意深く行う必要がある。胸郭の神経根に発する痛みは胸郭を斜め前下方に走り、腹壁にまで達する。このような痛みがあれば胸椎の外傷、脊椎カリエス、脊椎腫瘍、椎間関節症など、なんらかの形での神経根の圧迫がその原因であるから、専門医の診断を依頼する。

またこれらとは少し異なった棘突起部の疼痛に、思春期の女性に多いといわれる脊椎過敏症がある。この場合は、棘突起部の圧痛が皮膚をずらすことによって消失するが、これは棘突起上の皮膚に分布する皮神経の過敏状態であると言われている。

胸椎の外見上の変化として、突背、亀背、側彎などがある。突背や亀背では椎体の圧迫骨折、脊椎カリエスなどによる椎体の破壊が原因である。側彎は腰部に原因する疼痛を避けるための疼痛性側彎や脊椎側弯症があるが、突発性側弯症は進行性で脊柱全体の疼痛を伴うものもあり、幼少期の側彎では専門医の診察を依頼する。


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