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からだステーション2021年2月号 2月1日(月)発行No.247

筋肉には速い筋肉と遅い筋肉があるってご存知でしたか?速い筋肉を速筋(そっきん)と言い、遅い筋肉を遅筋(ちきん)と言います。速筋は文字通り収縮力が速い筋肉ですから、短距離走やウエイトリフティングのような、瞬発力を必要とする運動に向いています。遅筋は筋収縮力がゆっくりで持久力のある筋肉ですから、長距離走や自転車のロードレースなどの持久力を必要とする運動に向いています。速筋と遅筋は人種や人によってその筋肉量が違いますから、その人にあったスポーツやトレーニング方法を選ぶことが大事です。今回は速筋と遅筋の違いを考え、筋肉の質に見合ったスポーツやトレーニング方法などをご紹介します。

速筋

筋肉繊維には白い繊維と赤い繊維があり、速筋は白い繊維が多いため、「白筋」と呼ばれています。速筋を運動させるためのエネルギー源は、糖分で、酸素を必要としません。収縮する力が強く、ダッシュやジャンプなどの瞬発力やパワーが必要となる運動に向いている筋繊維です。速筋繊維の内部には糖質であるグリコーゲンがたくさん貯えられているのが特徴で、瞬発的な筋収縮を起こすときに酸素なしでグリコーゲンを分解し、収縮エネルギーに変えています。酸素なしで筋収縮を起こさせるため、これを無酸素運動と言います。

遅筋

遅筋は赤い繊維が多いため、「赤筋」と呼ばれています。遅筋を運動させるためのエネルギー源は、酸素や糖、脂質です。毛細血管とミトコンドリアが豊富で、血液で運ばれた酸素と脂肪をミトコンドリアで燃やして筋収縮エネルギーに変えています。ミトコンドリアとはエネルギー産生にかかわる細胞内小器官の一種です。酸素を取り入れて脂肪を燃やしながら筋収縮を起こさせるため、これを有酸素運動と言います。

白身魚と赤身魚

速筋は白いから白筋、遅筋は赤いから赤筋ですが、どうして遅筋は赤いのでしょうか? 赤色の正体はミオグロビンと呼ばれる筋肉内に酸素を貯蔵する器官で、これが多いと筋肉は赤く見えます。従って短距離選手の筋肉は白くマラソン選手の筋肉は赤いということになります。これは魚も全く一緒です。普段じっとしていて、いざという時だけ瞬発的に働く筋肉を持っているヒラメの身は白く、常に海中を泳ぎ回っているカツオの身は赤いのです。白身魚の代表といえば、ヒラメ、フグ、タラなどで、赤身魚の代表といえば、カツオ、マグロ、アジなどですね。ではオレンジかかったサーモンピンクが特徴のサーモンは白身でしょうか、赤身でしょうか? 答えは白身です。サーモンは子どもの時は白身なのですが、成長するにつれてエサで食べたカニやエビの色素がサーモンピンクになるそうです。

速筋か遅筋か

速筋は色が白く、瞬発力に富んでいて、遅筋は色が赤く、持久力に長けている、ということはお分かりいただけましたね。ではあなたの筋肉は速筋でしょうか遅筋でしょうか? これは小中学校のころの体育の授業を思い出せば分かります。子どものころからかけっこが得意だったけどマラソンは苦手だった、という人は速筋タイプ、逆に運動会ではビリだったけどマラソン大会ではいつも上位だった、という人は遅筋タイプですね。速筋タイプか遅筋タイプかという違いは生まれ持ったものなので、生涯変わることはありません。また、いわゆる筋肉質という人は少し筋トレをしただけで筋肉がつきやすいため、速筋タイプです。これは遺伝も関係します。親が短距離選手だった人は子どもも速筋タイプになり、親がマラソン選手の場合は子どもも遅筋タイプになりやすい傾向にあります。

黒人の筋肉

黒人は農耕民族と狩猟民族の2種類に分けられます。農耕民族はアジア人のように遅筋質の筋肉を持ち、狩猟民族は筋肉隆々の速筋質の筋肉を持っています。同じ黒人でもケニア人は農耕民族ですからマラソンが強く、ジャマイカ人は狩猟民族ですから短距離が強いという訳です。

速筋繊維と遅筋繊維の割合日本人の太ももの速筋繊維と遅筋繊維の比率は、一般人は55:45で、マラソン選手は18:82、短距離選手は63:37と言われています。ところが狩猟民族の黒人は、一般人でも67%が速筋繊維と言われ、短距離選手ともなると80%以上が速筋繊維と言いますから、「速筋繊維が80%以上もある黒人に、短距離走ではかなわないな」って思っちゃいますね。

トレーニング

速筋繊維が多い人は短距離走向き、遅筋繊維が多い人はマラソン向きだと話を進めて来ましたが、サッカーやラグビー、バレーボールやバスケットボールなどの球技は瞬発力も持久力も要求されます。従って球技をする人は速筋トレーニングと遅筋トレーニングの両方を行わなければいけません。速筋トレーニングの代表は筋トレですね。腕立て伏などの自重を使ったトレーニングや、ダンベルを使ったトレーニング、あるいは短距離のダッシュも欠かせません。遅筋トレーニングはマラソンや水泳、自転車などの長距離トレーニングで持久力を高める必要があります。例えばサッカーが上手くなるわけではありません。速筋と遅筋のトレーニングを積んでパフォーマンスを高めているのです。

ダイエット目的では?

ではダイエットを目的とした場合はどちらのトレーニングを行えばいいのでしょうか? 遅筋の項で説明したように、遅筋は酸素と脂肪を燃やして筋収縮エネルギーに変えているため、遅筋トレーニングを行うことによって脂肪は燃えます。ただし、男性らしい骨格や女性らしい曲線美を出すには速筋繊維の筋肉が必要ですので、速筋トレーニングも併せて行うことをお勧めします。

免疫力を上げるには?

免疫力を上げるには速筋を強化する筋トレがいいとされています。筋肉量が増えることによって代謝が上がり、酸素や栄養を全身に送ることが出来るからです。ところが俳優の武田真治さんがコロナとインフルにかかり、ネットでは「筋トレしてもダメじゃん!」と言われてしまいました。武田真治さんは体脂肪が少なすぎて体温が下がり、免疫力が下がったのではないかと言われています。「しかし筋トレによって免疫力が上がるのは確かですので、ほどほどに脂肪を蓄え、家で出来る腕立て伏せや腹筋運動などをやって行きましょう。大事なのは無理なく楽しく筋トレを行うことです。

参考文献 ユーグレナヘルスケアラボ/医科大学HP/健康豆知識

ひとくち医学用語

グリコーゲン

体内に蓄えられる糖質の貯蔵体のこと。筋肉内のグリコーゲンは運動をする際のエネルギー源であり、筋肉内で分解されて筋収縮に必要な物質を産生する。

 

 

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短距離走選手の筋繊維

速筋 遅筋

マラソン選手の筋繊維

速筋 遅筋

遅筋

持久力に優れ、脂肪を燃焼

鍛えてもあまり太くならない

速筋

瞬発力に優れ、パワーを発揮

鍛えると太くなる

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